こんにちは。
今回は建設業者の営業所技術者が、現場に専任しなければならない主任技術者、監理技術者との兼任ができるのかについて解説します。
主任技術者、監理技術者が現場専任を求められる条件は?
まず初めに主任技術者、監理技術者が現場に専任しなければならない条件を紹介します。
公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する工事であって、請負金額が4,500万円(建築一式工事にあっては9,000万円)以上となる工事は専任が必要(個人住宅や長屋を除いたほとんどの工事が対象。元請、下請けにかかわらず専任が必要)となります。
上記以外の工事では主任技術者、監理技術者の現場専任は不要となります。
営業所技術者は営業所に常勤することが求められています
これに対して営業所技術者は営業所に常勤していることが必要です。
営業所技術者としての役割があるからです。
・適正な請負契約が締結されるように技術的な観点から契約内容の確認を行うこと
・請負契約の適正な履行が確保されるように、現場の主任技術者や監理技術者のバックアップやサポートをおこなうこと
営業所に常勤が求められる営業所技術者と、現場に専任が求められる主任技術者、監理技術者は原則兼任できませんが、次に紹介する法改正により、一定の条件の下で兼任することができるようになりました。
建設業法改正により営業所技術者による主任技術者、監理技術者の職務の特例が明記されました
背景として、昨今の建設業界における技術者不足が懸念される中で、営業所技術者を営業所の業務のみに従事させるのではなく、現場の主任技術者、監理技術者として配置するニーズが高まっていることがあげられると思います。
令和6年12月に施工された改正建設業法で、このことが明記されました。
(建設業法第26条の5)
営業所技術者等に関する主任技術者又は監理技術者の職務の特例)
第二十六条の五 建設業者は、第二十六条第三項本文に規定する建設工事が次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、第七条(第二号に係る部分に限る。)又は第十五条(第二号に係る部分に限る。)及び同項本文の規定にかかわらず、その営業所の営業所技術者又は特定営業所技術者について、営業所技術者にあつては第二十六条第一項の規定により当該工事現場に置かなければならない主任技術者の職務を、特定営業所技術者にあつては当該主任技術者又は同条第二項の規定により当該工事現場に置かなければならない監理技術者の職務を兼ねて行わせることができる。
一 当該営業所において締結した請負契約に係る建設工事であること。
二 当該建設工事の請負代金の額が政令で定める金額未満となるものであること。
三 当該営業所と当該建設工事の工事現場との間の移動時間又は連絡方法その他の当該営業所の業務体制及び当該工事現場の施工体制の確保のために必要な事項に関し国土交通省令で定める要件に適合するものであること。
四 営業所技術者又は特定営業所技術者が当該営業所及び当該建設工事の工事現場の状況の確認その他の当該営業所における建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理に係る職務並びに当該工事現場に係る前条第一項に規定する職務(次項において「営業所職務等」という。)を情報通信技術を利用する方法により行うため必要な措置として国土交通省令で定めるものが講じられるものであること。
2 前項の規定は、同項の工事現場の数が、営業所技術者又は特定営業所技術者が当該工事現場に係る主任技術者又は監理技術者の職務を兼ねて行つたとしても営業所職務等の適切な遂行に支障を生ずるおそれがないものとして政令で定める数を超えるときは、適用しない。
3 第一項の規定により監理技術者の職務を兼ねて行う特定営業所技術者は、第二十七条の十八第一項の規定による監理技術者資格者証の交付を受けている者であつて、第二十六条第五項の講習を受講したものでなければならない。
4 前項の特定営業所技術者は、発注者から請求があつたときは、監理技術者資格者証を提示しなければならない。
次の項で具体的な条件をご紹介しますね。
営業所技術者と主任技術者、監理技術者の兼任が可能な条件は?
工事現場について
・1つの営業所と1つまでの専任が求められる現場を兼務することができます。
(当該営業所において締結された請負契約であること、工事請負金額は1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること)
・主任技術者、監理技術者と営業所が常時連絡をとれる体制になっていることが必要です。
・主任技術者、監理技術者と現場の間に、現場の状況確認と意思疎通ができる環境が整備されていることが必要です。
例えばスマートフォンやWEB会議システム等の環境を整えられていればOKです。
・工事現場が営業所から1日に巡回可能な範囲(2時間程度で移動できる距離)に存在することが必要です。
施工体制について
・工事現場に連絡要員を配置することが必要です。緊急時などに主任技術者、監理技術者と連絡をとれるようにしておくためです。
・下請の場合には下請次数が3次以内であることです。
・日々の施工体制がCCUSなどにより遠隔から把握可能であることが必要です。
運用について
・兼任にあたっては、技術者の労働時間が過大とならないよう十分に留意しつつ、施工管理の手段や人員配置に関する計画書を①作成、②工事現場に備える、③営業所に保存する、ことが必要です。
まとめ
今回は営業所技術者と現場の主任技術者、監理技術者との兼任について解説しました。
令和6年12月の建設業法改正によって第26条の5が新設され、職務の特例が明記されました。
技術者が不足している中で兼務できるように緩和されています。
細かな条件もありますのでよく確認して、法令順守の上で業務の効率化に活かしていただければと思います。
今回は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。